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「な、なぁティナ。何もそんな落ち込まなくたって……俺達の強さを知らない筈ないだろ?死にに行く訳じゃないんだから、な?」
見かねてフェルが、困った様にそう優しく話しかける。
しかし暫くの沈黙の後、突然顔を上げたティナは、とんでもない事を言い出した。
「決めた!私も行くね!」
そこには満面の笑顔を浮かべ、小悪魔的な素顔のティナの姿があった。
「あ、あん?」
一瞬、何を言ったのか解らないほど、呆気に取られた二人。
だが、その言葉の意味を次第に理解していく内に、段々と目が大きく見開かれていった。
そしてそれが限界まで開かれた時、二人は同時に叫ぶ。
「ば、ば、馬鹿!!なに意味不明な事を言い出すんだ、お前は!?」
「そ、そうだよティナ!僕ら遊びに行くんじゃないんだよ!?テストはまだしも、戦争は命をかけるんだよ!?」
狼狽える二人を横目に、ティナはニコニコしながら肩を竦める。
「あら、解ってるわよ、そんな事」
フェルは、彼女のその態度に益々切れた。
「お、おまっ!い、いや、絶対解ってない!」
「もう、うっさいなぁ、解ってるってば!」
これ以上言われたくないのか、彼女は不貞腐れてそっぽを向いた。
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