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「お、お前なぁ……」
ティナは、昔から一度決めたら絶対に考えを曲げない。
その事をよく解っているフェルは、本当にどうしたものかと、頭を掻くばかりだった。
「ね、ねぇティナ、たぶんお母さんも心配するよ?そ、その女の子が戦争に行くなんてさ?」
ラスベルのそんな説得も、彼女には何も効果がない。
「あら、女性でも階級の高い将軍は沢山いるわよ?」
「い、いやそういう問題じゃ…」
「も~ラスベルまで!とにかく、もう決めたの!それに私がいなきゃ二人だけだと、心配で堪らないわ!」
「う、うぐっ……」
気が強いティナの言葉に、二人は言い返す事が出来ない。
確かに彼女には、幾度となく助けて貰っている。
稽古で大怪我した時も、魔法で火傷をした時も。
何故なら彼女は、極めて稀有な治癒能力の持ち主だったからだ。
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