エピソード3~前編~

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「始めまして、私の名前は美琴。後ろにいるのは私の兄、歩。あなたの――」 「――ストップ!それじゃダメよ!」 美琴がいつものようにカウンセリングを始めると、雫が制止させた。 「じゃあ、雫さんがして下さい」 美琴が席を譲ると、雫は優しく笑いかけながら話し掛けた。 「あなたのお名前、聞いても良いかな?」 「……かなで。もうすぐ、ろくさい」 「そっかぁ。じゃあ、お家はどこか解るかな?」 雫が聞くと、首を横に振った。 「お家には誰がいるのかな?」 「…おとうさん、おかあさん、おにいちゃん……」 「…うん、ありがとう」 そう言うと雫は振り向いて美琴を見た。 それを見て美琴は頷いた。 「じゃあ、そこのお兄ちゃんと一緒に待っててくれるかな?」 「うん!」 そう笑顔で言うと、歩に連れられて部屋を出た。
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