エピソード3~前編~

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「…おはよう、美琴ちゃん」 教室に向かう途中、後ろから愛香が話し掛けた。 「愛香、いつも早いよね」 「そんなことないよ。そういえば、Ⅰ限目の科学って確か実験だよね?」 「うん。わざわざ土曜日に授業しなくても良いのに…」 「――あらあら、優等生の藤林さんがそんな事を言って宜しいんですの?」 ――振り向かなくても分かる。 ため息を小さく吐くと、嫌々振り向いた。 「……何か用、沙羅」 案の定、沙羅がいた。 後ろには沙羅といつも一緒にいる、鳥井鈴(とりい すず)と真木田百花(まきた ももか)がいた。 「…別に用って訳ではないわ。ただ、『優等生』の藤林さんの発言ではないかと」 「…『劣等生』の月浦さんに言われたくないんですが」 「~~~~~っ!!」 美琴がそう言い返すと、沙羅は顔を真っ赤にして悔しそうに去っていった。 「―あっ!待って、沙羅!」 「…美琴ちゃん、ごめんなさい。悪気は無いのよ💦」 そう言いながら、2人は沙羅の後を追い掛けた。
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