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「…おはよう、美琴ちゃん」
教室に向かう途中、後ろから愛香が話し掛けた。
「愛香、いつも早いよね」
「そんなことないよ。そういえば、Ⅰ限目の科学って確か実験だよね?」
「うん。わざわざ土曜日に授業しなくても良いのに…」
「――あらあら、優等生の藤林さんがそんな事を言って宜しいんですの?」
――振り向かなくても分かる。
ため息を小さく吐くと、嫌々振り向いた。
「……何か用、沙羅」
案の定、沙羅がいた。
後ろには沙羅といつも一緒にいる、鳥井鈴(とりい すず)と真木田百花(まきた ももか)がいた。
「…別に用って訳ではないわ。ただ、『優等生』の藤林さんの発言ではないかと」
「…『劣等生』の月浦さんに言われたくないんですが」
「~~~~~っ!!」
美琴がそう言い返すと、沙羅は顔を真っ赤にして悔しそうに去っていった。
「―あっ!待って、沙羅!」
「…美琴ちゃん、ごめんなさい。悪気は無いのよ💦」
そう言いながら、2人は沙羅の後を追い掛けた。
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