エピソード3~前編~

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「――今日の授業はここまで。しっかり復習するように!」 「ありがとうございました」 Ⅰ限目の科学が終わると周りは教室に戻っていく中、愛香は美琴が動かないことに気が付いた。 「どうしたの、美琴ちゃん?次、数学だよ?」 愛香が話し掛けると、美琴はあるものを見せた。 「科学のノート?」 「……忘れ物みたい。私、届けてくるよ」 「えっ、でも授業間に合う?終わってからでも…」 「…たぶん、昨日の授業で忘れたんだよ。それに、ご丁寧に時間割りも挟まっちゃってるし」 「…あらら。って、その子の次の授業、科学みたいだね」 「幸い、中等部は近いしね。すぐに渡せるでしょ」 そう言うと、美琴は立ち上がって実験室を出ようとした。 「私も行くよ」 「授業遅れるかもよ。良いの?」 「美琴ちゃんも一緒だし、万一遅れても2人なら先生も分かってくれるよ」 「なら、早く行こうか」 「うん!」 さっそく2人は忘れ物を届けに向かった。
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