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「――今日の授業はここまで。しっかり復習するように!」
「ありがとうございました」
Ⅰ限目の科学が終わると周りは教室に戻っていく中、愛香は美琴が動かないことに気が付いた。
「どうしたの、美琴ちゃん?次、数学だよ?」
愛香が話し掛けると、美琴はあるものを見せた。
「科学のノート?」
「……忘れ物みたい。私、届けてくるよ」
「えっ、でも授業間に合う?終わってからでも…」
「…たぶん、昨日の授業で忘れたんだよ。それに、ご丁寧に時間割りも挟まっちゃってるし」
「…あらら。って、その子の次の授業、科学みたいだね」
「幸い、中等部は近いしね。すぐに渡せるでしょ」
そう言うと、美琴は立ち上がって実験室を出ようとした。
「私も行くよ」
「授業遅れるかもよ。良いの?」
「美琴ちゃんも一緒だし、万一遅れても2人なら先生も分かってくれるよ」
「なら、早く行こうか」
「うん!」
さっそく2人は忘れ物を届けに向かった。
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