プロローグ

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「すごい雨だねぇー!止むかなぁ?」 教室の窓から外の様子を見ていた愛香は今日も同じ事を言っていた。 「今日は1日雨らしいよ。梅雨の季節だからしょうがないけど…。この季節はバスが混むし、道路も混むし…、学生には嫌な季節よね」 自分の席で本を読んでいた美琴が独り言を言うと、愛香は不思議そうに聞き返した。 「どうして?バスってそういう乗り物なの?幼稚園の遠足の時はみんな座れたよ?」 「……愛香には一生分からないと思うよ」 「私が゙お嬢様゙だから?」 「うん」 そう言い切ると、美琴は携帯を取り出した。 「何見てるの?」 「時刻表。…次のバスは混む時間だから、その次のバスで帰ろうかな」 「バスって車と違ってすぐに来ないんだ!大変だね」 ……この、゙お嬢様゙が! っと、本気で思う美琴であった。
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