初っ端から憂鬱です

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「それでも心配なものは心配なの!聖桜華学園ならセキュリティーもバッチリらしいし、食堂もあるし、スーパーやコンビニもあるからご飯も困らないでしょ?それに本当はもっといい所狙えたのに公立受けたのはただ家から近いってだけの理由じゃないの! 聖桜華なら敷地内に寮があるから一端向こうに行っちゃえば今より通学が楽になるのよ?」 「…確かに」 今より通学が楽というのに心が揺れる 「それに茜ちゃんとも学校別々になったんだしそこまで公立にこだわり無いでしょ?」 あ、茜ってお隣さんの幼なじみで唯一の友達ね 俺変態ホイホイな上に怪力で人が寄りつかず友達出来なかったのよ 「てか茜はどうでもいいよ」 「いつも仲良くしてもらってるのにそんな事言わないの!それにお祖父ちゃんの知り合いの方の学園だから母さんも安心出来るのよ」 「祖父ちゃん?」 祖父ちゃんは母さんの父親で確かどっかの財閥のトップらしいけどよく知らん 天涯孤独な父さんに一目惚れした母さん 父さんもまた美人な母さんに一目惚れ だけど祖父ちゃんはもちろん猛反対だった訳で、二人は駆け落ち同然で結婚して、母さん溺愛の祖父ちゃんが金銭的な援助は一切しないということでしぶしぶ折れたらしい 父さんの事は今でも気に入らないみたいだが、ちょくちょく会社を抜け出して家にこっそり様子見に来たり母さんに電話してきたりしてる
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