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いくつかの部活がロードワークをしていて。
その中にバスケ部もいて。
…自然と、目で追ってしまいます。
ロードワークをしている人達の中に、さっきまで一緒に話していた人の姿が見えて。
門へと向かって歩いていた足が、思わず止まってしまいました。
「…近江くん…」
思わず口から出たその名前。
ボリュームは極わずか、蚊の鳴くような声。
だから、近江くんに聞こえたわけがありません。
なのに…。
近江くんは走っていたその足を止めて、ゆっくりと振り返りました。
ぶつかる視線。
「……」
「笹原!」
笑顔がキラキラと眩しいです…。
「笹原、もー帰るの?」
距離があるからか、近江くんは大きな声で聞いてきました。
私は大きな声を出すのは苦手だから、大きめに一回、頷いてみせます。
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