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両手で頬を包み込み、ペタンと床に座り込みます。
制服のままだとか。
スカートがよごれるだとか。
ヒダが取れてしまうだとか。
今はそんなこと、気にしてなんかいられません。
「お、近江くんと話しちゃった…。また明日って。…あの近江くんが!私なんかに!」
どれくらいそうしていたでしょう…。
「夕御飯出来たわよー!」と言うお母さんの声でやっと立ち上がり、制服から部屋着へと着替えました。
リビングへと降りていったら、すでにお父さんが帰ってきていて。
私の顔を見るなり、「ん?くるみ、何か良いことでもあったのか?」なんて聞いてきて。
「何も、なかった…よ?」と答える声は上ずっていて。
やっぱり、説得力なんてないものでした…。
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