はじまり

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色素の薄いサラサラの髪を上手にセットしていて。 切れ長の目に筋の通った鼻、薄い唇。 とても整った顔をしていて。 チャラチャラしすぎていない、着崩した制服。 面白くて優しくて格好よくて…いつも皆の中心にいる。 そんな、私とはかけ離れた存在の彼がある日、急に話しかけてきて。 すぐには返事ができないくらい、びっくりしました。 「ねぇ、何読んでんの?」 5月の爽やかな風が吹き込む放課後。 誰もいない、教室。
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