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「一緒に暮らそっか」 「…はい?」 そんな一言から始まった、不自然な共同生活。 「嫌?」 「嫌とかじゃなくて…なんで?」 「…その方がいいかな…って」 「何言ってんの?」 真っ赤に腫れた目をしたキミは、こんな時だって強気な態度で…困ったもんだ。 『もう見てらんない。』 なんて、言える立場じゃないし、伝えるつもりもなかった。 そんなことを口にしたらきっとキミは、人を見下したようなあのゾクゾクする目で指原を見るんだろうから。 「いや、ちょうど部屋空いたし、…ね」 「そっか、出てったんだっけ」 「…」 「寂しいんだ?」 別に、寂しいってわけじゃなかったけど。 「ん、まあ…そうなのかも」 「しょうがないなー」 そう言えば、優位に立ちたいキミなら乗っかってくると思ったから。 「でも」 その代わり… 出された条件は、 『互いの生活に干渉しないこと。』 だった。
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