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また、前みたいな生活に戻った。
いや…前とは…、少し違う。
ゆきりんがまた、夜遊びを始めた。
たぶん、元彼。
別にいいんだけど…
連絡も、くれなくなった。
待ちぼうけする日々が続いた。
だからといって、ゆきりんに何か言うわけじゃないんだけど…
てか、一体なんなんだろう。
よくわかんないけど…彼女が、また…変わった。
…嫉妬?
いやいや、そんなおめでたいこと考えちゃ駄目だ。
『付き合ってくれませんか?』
さっきまでの記憶が、頭にこべりついて離れない。
んー…どれくらい、ゆきりんと一緒にご飯食べてないだろう。
とぼとぼと、帰路につく。
最近は、気候も生ぬるくなってきて…
壊れかけた脳みそに、さらに拍車をかける。
ああ、心が溢れて…吐きそう。
ガチャリ。
ドアに鍵を差し込む。
「…ただいまー」
誰にともなく、ぽつりと呟く。
ん?
ゆきりんの靴。
…と、男物の、スニーカー…?
は?
そーっと、リビングに向かう。
…っ!!
ヤってる?
零れる吐息は、おそらく…彼女の、もの。
ガツンと脳天をぶん殴られた気分。
踵を返そう、そう思った瞬間。
自分の中の悪魔が、顔を出した。
『指原も、好き…かも。たぶん…』
ね?…変わらないと。
でなきゃ、ずっと…ここから、動けない。
そのまま、何もないようにリビングを通りすぎる。
ちらっと、視界の端。
あいつが、ゆきりんに跨がっている光景が映った。
……ただいま。
もう一度、そう呟いて、自分の部屋に足を進めた。
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