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「ねえ………あたしのこと、欲しい?」 え?…欲しいって? てか、さっきのキスって? え? ゆきりんも、指原のことが……好き? いやいやいやいや、…指原、からかわれてる? 上手く回らない思考回路をフル回転させる。 それよりも、せわしなく脈を打つ心臓。 ドクン…ドクン… 視線は、外せない。 あ、ゆきりん、本気だ。 「ねえ?」 欲しくないの? 試すような、眼差し。 ああ、もう、嘘はつけない。 つきたく、ない。 誤魔化さないって、決めたじゃん? 「…欲しい、です」 絞り出すようにして応える、と。 それはもう嬉しそうに、 そして。 よくできました、って言わんばかりに、指原の頭を撫でて、 「あたしも、さっしーが欲しい」 そう、応えてくれた。
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