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「あれだけ言っとけば、もう無理矢理誘われることないし」 「うん…ありがと」 「んーん、ごめんね」 「え?」 「あたし、さっしーの困った顔好きだけど、さっしーの嫌がることは出来るだけしたくないんだ」 「…うん」 「矛盾してる?…言ってること、変かな」 「そんなことないよ、ありがと」 ぎゅっと抱き締め返した。 「大好きだよ」 「うん、あたしも大好き」 ああ、困ったな。 とても、幸せだ。 「さっしー?」 「ん?」 「とりあえずあたし、お風呂入りたいんだけど」 「ああ、ごめん」 ふっと力を抜いて、ゆきりんを解放する。 「ありがと。じゃ、行ってくるね」 「うん」 「ねえ?」 「ん?」 「今夜、一緒に寝よ?」 「へっ?」 「…駄目?」 そんな上目遣いで、首を傾けながら言われたら… 「駄目、じゃない…けど…」 断れるわけ、ない。 「けど?」 「この前みたいに、暴走しない?」 「それは、わかんないっ」 「…」 「もうっ、冗談だって!」 ぽんっ、と、大きな手が降ってくる。 「言ったでしょ?さっしーの嫌がることはしないって」 「…うん」 相も変わらず、困ってしまう。 かわいすぎる、ゆきりんに。 不甲斐ない、自分に。 「でも、さ…」 「ん?」 「今晩ずっと、ぎゅってしてていい?」 「へ?…あ、…うん…っ」 ああ、やばいな。 今、絶対顔真っ赤だよ… 「やった!ありがとっ」 と言いながら、浴室へ消えていった。 参ったな、こういうのも、悪くない。 さてと… あ、ご飯の支度、まだだった。 キッチンへ向かい、炊飯器のスイッチを押す。 うわ、駄目だ… 顔がにやけてくる。 でも仕方ない。 たまらなく幸せなんだもん。 ほんと、相変わらず、 フシゼンだなあって思うんだ。 この関係って、恋人?って。 でも、うん。 恋人だ。 指原たちは、間違いなく恋人であって。 そして、世界一… 幸せで、 "フシゼン"な関係。 end.
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