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カレン(オンラインネーム)は息を飲んだ。
旧世代とは言え、二十五機の『type-I』を五分以内で全て落とし、かつ、被害が少ない様に村に落ちる残骸を全て粉々にするという離れ業をやってのけたのだから・・・。
黒い機体はゆっくりと(一歩は大きいが)森に近づく。
淡い桜色の機体が降下してきて、フレンドの『type-B』に近づいていく。
そして遠くから青色の機体が此方に向かってきている。
意を決して黒い機体のパイロットに通信回線を開くようにお願いした。
応答は直ぐに帰ってきた・・・。
「・・・村に被害無し。上々の結果かな?」
『アルテミス』の中でヘルメットを脱ぎ、頭を犬の様に振る。ツツツ・・・ツツツ・・・っと部隊回線の音が鳴り、ディスプレイにアカネの顔が映った。
「『アルテミス』。軍のじゃない『type-B』の残骸を確認したから、今から見に行く。」
アカネは表情一つ変えず、まるで氷の様な眼差しで同意を求める
「あ、はい。お願いします。」
『桜花三式』が外れに降下していくのを見たあと、雨斗は『神無月』と通信を始めた。
「『アルテミス』どうした?」
直哉の顔が直ぐに映った。
「『アルマス』の反応は?」
「ああ、確認した。後十分位で此方に来ると思う。」
「ありがとうございます。」
礼をいった後、回線を切る。
「さて、僕も何かしないと。」
再度ヘルメットを被り、森に歩いていく。
すると、いきなりプレイヤー回線の申し込みが届いた。
「やっぱり他のプレイヤーもいたんだ。」
雨斗は直ぐにチャンネルを開いた。
相手は女の子であった。茶色い髪をポニーテールにしており、ぱっちりと開いた瞳も茶色。一目で日本人プレイヤーだとわかった。
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