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「・・・ログアウト不可能・・・あのチャットの主は、なにを考えている・・・?」
パイナップルが座り、人差し指を額に押し付ける。それの横で雨斗は座る。
「・・・・とりあえずパイナップルさん。ヤクルトさんを起こしませんか?」
横目で眠る彼女、ヤクルトを見る。
「そうだね・・・・。あと、パイナップルでなく、千谷直哉・・・と呼んでくれ。」
「?」
雨斗はディスプレイを見ながら傾げる。
「千谷直哉。俺の本名だよ。」
パイナップル・・・もとい直哉は一度雨斗に振り向き、直ぐにディスプレイを見る。
「雨斗。古宮雨斗です。」
ディスプレイを閉じ、違うディスプレイを呼び出しながら雨斗は頭を下げる。
「雨斗・・・」
直哉は手を止め、じっくり雨斗の顔を睨む。これにより、雨斗は少し後ろに後ずさった。
「な、何ですか?」
その眼差しは、恐怖を覚えるほどだった。蛇に睨まれた蛙。その言葉が今、とてもわかる・・・。
やがて、直哉の口がゆっくりと開かれた
「・・・言っちゃうと悪いけど・・・似合わない名前だね。」
盛大にコケた。
「ここがスカイ・グリーヴァの世界なら、『レギスト』反応があると思うんです。」
「・・・俺の『神無月』はガレージに有るからゲーム通りなら転送できるはず・・・」
「多分、『アルテミス』も転送できるはずです。後はヤクルトさんの『桜花三式』もあるはず。」
この三人の『レギスト』は独自の設計、独自の開発をしている完全オリジナル機体であり、一般的な『レギスト』と比べ、製造された三機はある特殊な性能が組み込まれている。
「・・・『レギスト』」
可愛い可憐な声が、背後から響く。それに二人はばっと振り向く。
「・・・ヤクルトさん。起きてたんですか。」
雨斗はふぅ・・・と息を吐く。
「・・・おはよう。」
美しい声が耳に吸い込まれる様に入る。
マイペース。その言葉を具現化した存在の様な人物がこの人である。
「・・・どうなってるの・・・?」
まぁ、起きてなかったから説明も聞いてないだろうなぁ・・・などと思い、あらかたの話をした。彼女はただ首を振り、うん、とも、そう、とも言わず虎視眈々と見たり聞いたりしているだけだった。
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