・星の記憶~崩壊~

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 一緒に湯に浸かったこともあった。  星を見上げて笑いあったこともあった。  すべてが、煌くような日々だった。  それぞれが不器用ではあったけれど、そこには確かに親愛の情があった。愛があった。  星を創りし神の望んだものがそこにはあったのだ。  けれどそれは泡沫。  哀しいほどに儚く、それが故の煌きだった。  相いれぬ物が混じり合う、ほんの刹那の輝きだった。  終わりの時が迫っていた。  闇は眠りについたのではなく、光に照らされてその影を濃くしていたのだ。
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