2.約束だから。信じてるから。

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「納得したか」  いつの間にか、鬼太郎は命の父、真に姿を変えていた。 「ここはお前の記憶から適当な者を選び出して実体化させることのできる空間。その刀をもってしても斬れぬ」 「あなたも敵ですか」 「そうだな。敵である。ここに現れるのは白夜をのぞく、お前が戦ったことのある者。それらに遅れをとるようでは、白夜に勝つなど夢のまた夢」  姿はもう一度、鬼太郎に戻った。先程の政基そっくりの構えをとり、凄まじい殺気を向けてくる。 「どこの誰かは知りませんけど、ご丁寧にテストしてくれるわけですか」  香澄を持ち直し、右のこめかみの前で構える。切っ先はまっすぐ、鬼太郎を向いている。   「ああ。もしも、すべて倒すことができたならお前の体調を万全にしてやろう。だから力を出し惜しみするなよ」 「たかが幻術程度、術を使うまでもないです」 「ほざいたな、小僧!」  即座に生成される巨大な氷塊。それを斬り裂く。が、それで終わらないのが伝説なのだ。 「っ!?」  その奥から更に巨大な氷塊が迫っていたのだ。かわしきれないと踏んで、零也は即座にそれを打ち消す。  その霊力特性の名は『天否星』。発動した術や、霊力の高まり、それによる影響の全てをそれ以前の状態に戻す零也の固有能力。
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