2.約束だから。信じてるから。

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☆  闇が満ちている。  城の最上階、祭壇の間は様相を変えていた。窓からの光もなく、ひたすらに暗い。貼り付けにされた散葉が淡く放つ光だけが、白夜を照らしていた。  目を閉じて、力を吸い上げる白夜。その表情は今に至って、苦しげなものだった。 「そう、そういうこと」  白夜は歯噛みするように呟いた。 「それが最後の防衛機構ってわけね」  散葉を通して、白夜は星羅とつながった。そして、散葉越しに星羅の魂を奪う予定だったのだ。  だが、ここに来て誤算が生まれてしまったのだ。  散葉に食いついている白夜の『神喰らい』が先程から触れている魂は星羅のものだけだった。どれだけ探しても、散葉にたどり着かない。  つまり、逆だった。  星羅の魂を隠しているのが散葉なのではなく、散葉の魂を隠しているのが星羅。  本来ならばなんの問題もない。このまま、星羅の魂を奪えばいい。だが、違うのだ。それで使えるようになるのはその膨大な霊力のみ。  星神の真価。全能たる創世のチカラ。それを使うための鍵が、星羅の中には存在しない。となれば、それがある場所は自ずと限られる。 「鍵は散葉さん。そういうことなのね」  僅かに逡巡して、再び目を閉じる。 「なんとしても、私はそれが必要なの。渡してもらうわよ、散葉さん」  
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