・星の記憶~終焉~

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普段は従順な彼女がいつもとは違う反応をするものだから華音は心配して顔をのぞき込んだ。  そして、反射的に後ずさった。 「と、『止まれ』!」    今まで、絶対に使わなかった言霊による支配を咲夜にかけた。その事実に金華之姫が食ってかかる。 「あんた、なにしてんのよ!」   「いや、待て。様子がおかしいぞ」    華音の『言霊使役』は強力だ。無防備な状況でかけられてしまえば真でさえ逆らうことはできない。だというのに。  ぎ、ぎ、とわずかながら逆らって、咲夜は空を仰いだ。 「呼んで……る……?」  その視線の先。  空にぽっかりと大穴が開いている。まるで黒い月のように。 「な、なによあれ」 「分からない。みんな、下がるんだ。咲夜は僕が引き受ける」 「でも!」 「いいから。何か嫌な予感がするんだ」
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