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「んっ……」
あぁ、意識がはっきりしてくる…………二度寝したい。
「大丈夫か」
「ぎゃあああああああああっ!!!」
あの襲ってきたサングラスーツがいるよぎゃあああ!!!
サングラスーツが何故かサングラスを外して俺を見た。
すると、後ろに下がろうとしたけど動けなくなっていた。
瞬間的にベッドについた手の平が凄く痛い。
「っぐ、なんで、動けないんだよ……」
ピクリとも動かない体。
うぅ、手の平痛い……この状態は嫌すぎる……!
そんなことを考えていると、ベッドの周りの白いカーテンがシャッと開いた。
「あら、もう起きたの?」
女性だ。少しハスキーな声色で、水色のショートヘアに白い肌に白衣がよく似合うスレンダーな女性がカーテンの先に立っていた。
「あっ……はい、」
綺麗だなぁ……なんて思っていると、サングラスーツが肩を叩いて、俺の耳元でコソッと囁いた。
「気をつけろ……アイツは男だぞ」
「はぁぁぁっ?!」
何言ってんだこのサングラスーツ!
「ちょっと、飯沼!余計なことを言わないでよ!」
本当だった!!!
「また、男子生徒と事件になったらクビだと言われただろ」
「そ、そりゃあそうだけど……」
また?えっと……常習犯か。そうだったのか。
「あっ、そうそう本梨信也君!」
「あ、ひゃい!!」
声裏返ったああああ……ぁぁ……。
「……えっと、体の調子はどうかな?」
「よくわからないけど動けません」
どうしよう、手の平の感覚がなくなり始めたぞ……
「あっ……飯沼、解いてあげて」
「わかった」
サングラスーツがサングラスを外す。一瞬だけサングラスーツの瞳が光った。
「これで動けるだろう」
痛くない方の手を動かしてみる……あっ、ちゃんと動く。
でも、何で……?
「あら、不思議かしら?」
「そりゃ、まぁ……俺にとっては……」
多分、この白衣の男性にとっては普通なのだろう。
「でも、貴方だって不思議な力を持ってるじゃない」
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