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「ちょっと、あれって」
「うわっ、マジか?あれ、おまえじゃねぇ?」
「ほら、ズームの写真だって」
そんな後ろの会話を私は知る事もなく、私はずっとペガサスの男の画像を見ていた。
「おい、おまえ。何勝手に俺の写真、撮ってんだ」
私はカメラを突然取り上げられた。
「あっ…!」
私は、その人物に驚いた。
ペガサスの男!
「何、許可なく撮ってんだって聞いてんだよ」
私は座ってる椅子の足を蹴飛ばされた。
やだな、この人。
見掛けと違って、怖い人。
「あぅ…ああっ…ううっ…」
私は手話で、
《ごめんなさい、ごめんなさい》
と謝った。
「おい、この子、耳が…」
「キモチ悪りぃ事しやがって、ざけんなよボケが」
その男は席に戻る。
私は、何か凄く怖くなっちゃって震えるてしまった。
小さくなって、丸まって頼んだオムライスを待つんだけど、やっぱり気まずい。
何がペガサスだ。
見せ掛けだけの、性格が悪くて、嫌な男。
こんな奴こそ、この世から消えればいいんだ。
私はまた肩をつつかれて、チラッと見ると、真後ろの男二人が手話ではないけど、頭に人差し指を突き立てながら、両手を申し訳なさそうに合わす。
《アイツ怒ってるから、ごめんね》
って。
私も頷いて、
《ごめんなさい》
と謝った。
「いちいち構うな!」
あっ、腐れペガサス。
またキレてやがる。
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