1、一人が好き

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私は結局、オムライスがなかなか喉に入っていかなくて半分残した。 そして、後ろの席の連中が店を出るまで、席から離れられなかった。 もう、画像は消そう。 消去…消去…消去…消去します。 人間はやっぱり、裏や表、建前だとかが有るから怖い。 余計な人間とは、やっぱり触れ合わない方がいいな。 窓越しにペガサスを見る。 あんなにカッコいいのに、どんだけ感じが悪いんだよ。 人に優しく出来ない奴は、この先本当の優しさに触れ合う事はない。 だからあの人、たぶん一生独身者だよ。 …って、私もこんな一人が好きだとか言ってるから、他人の事は言えた義理じゃないけど。 だいたい、こんな私みたいなお荷物女。 見合いでもしなきゃ、結婚なんて出来ないよ。 遠い昔に付き合っていた彼氏に何気に傷付く筆談の一言を貰った事がある。 「自分の一生でも手一杯なのに、他人のお荷物まで背負いたくない。どうせ背負うなら俺はラクな荷物を選ぶ」 遠回しにイヤミかと思った。 だからもう、その言葉で異性は信用出来ないと思った。 だから、私もひねくれた性格になってしまった。 ただ、話せないから何も言わないだけ。 聞こえないから、何も知らないだけで。 私はその紙を、自分への戒めとして今でも持ち歩いている。 誰かにすがり付きたくなった時、誰かを好きになりそうな時、その紙を見て、 「おまえはお荷物だから、ラクな一生は送れない」 って。 こうやって、今私の目の前で必死に咲いて見せてくれる花や、何も語らないで少しずつ変化する景色、大きく抱き締めてくれる空が、私には有ればいい。 見渡しても誰にも気付くことのない、それを私は、一人締めしてあげたい。 何も語れないけれど、一生懸命なんだって事を、私だけが分かってあげたい。
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