2、雷鳴と雷光

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午後から行ってみたかった神社とお寺へ行き、気晴らしにお団子を食べて、夕方の高速バスで帰る。 御朱印帳の中身、見たいな。 大日如来か。 真言宗のお寺だったからな。 私は御朱印帳を眺めながら、交差点を渡る。 これを死んだ時に、お棺に一緒に入れてもらうと極楽へ行けるんだって。 何だか素敵な話。 …ブッブーッ!ブーッ!!!… 極楽へ… …ブーッ!ブーッ!… トラック!… 目の前の信号機は赤だった! 極楽へ… その瞬間、背中を捕まれて凄い勢いで歩道脇に投げ捨てられた。 あ、いたた…っ。 トラックが徐行して窓を開けた。 怒鳴られるかと思ったら、上着の襟を後ろから摘まみあげられた。 そして、 「バカヤロー!」 その怒鳴り声は雷鳴のように、難聴の私にもはっきり聞こえ、身体中に響き渡った。 それは、あのペガサスだった。 「うぅ…あぅ…あぁ…」 トラックの運転手は驚いて去って行った。
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