びたーちょこ

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**** 逃がした魚は大きい……。 なんて思ってない。 思ってない筈なのに……。 次の日から広瀬を気にしないように、見ないようにとずっと目を反らしているのに。 ほら笑ってる。にやっとしてるし。 見てないはずなのに、視界に勝手に入って来る。お陰で一日中、私の心は休まらない。 「……さん、森下さん、今日営業部と飲み会があるんですけど人数が少なくって。って、聞いてます?」 え……。 机に出したまま手をつけられていないお弁当の蓋をしめる。 「だから、人数合わせに来てもらっちゃダメですか?」 あ……えと。 この人は知らないんだ。
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