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退社時間になると同時に女子に囲まれる広瀬を置いて、一足早く会社を出る。エントランスから見えない建物の影に隠れながら、広瀬が出て来るのをじっと待つ。
渡したらささっと帰ろう。
なかなか来ない広瀬は、きっと沢山チョコを貰ってる。その中には手作りチョコもあるかもしれない。そう思うと、このチョコの価値が何もない気がしてくる。
でも……せっかく作ったチョコレートだもん。捨てるなんて私には出来ないよ。
まだまだ空気は冷たく、指が凍え感覚がなくなって来たのに、目的の広瀬は一向に出てくる気配がない。
そろそろ限界！
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