みるくちょこ

6/14
前へ
/39ページ
次へ
待ってたと思われるのは嫌だけど、凍死するのも嫌だから。 そう思いながら、広瀬に直接渡しに会社の中へと踏み込む。 「あれ、加奈? 加奈じゃん。なんで、ここに? もしかして……俺を待ってた?」 丁度一階に来たエレベーターの中からは、懐かしい声で私の名前を呼ぶ。 違う。 本当に違う。 だから、大したことない。 そう自分に言い聞かせるのが精一杯で、言葉を返す勇気はなく一歩二歩と後ろへ下がる。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

351人が本棚に入れています
本棚に追加