みるくちょこ

8/14
前へ
/39ページ
次へ
なかなか渡さない私を見られたら困るのか、ちらちらと周りを気にしてる。 こんな男なんだ。 こんな男だから、私は結婚前に捨てられたんだ。 会社の廊下でこっそりしたキスも。 私の作ったお弁当を、いつも嬉しそうに食べてくれた事も。 愛してると耳元で甘く囁かれた言葉も。 全部全部、幻だったんだ。 あんなに愛しく思っていたのに、必死にチョコを貰おうとする彼に呆れた。 自分が幻想を見てたんだってよく分かった。 広瀬が過去に流したかった私の涙を全部受け止めてくれたから。私はこの恋を忘れられる。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

351人が本棚に入れています
本棚に追加