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なかなか渡さない私を見られたら困るのか、ちらちらと周りを気にしてる。
こんな男なんだ。
こんな男だから、私は結婚前に捨てられたんだ。
会社の廊下でこっそりしたキスも。
私の作ったお弁当を、いつも嬉しそうに食べてくれた事も。
愛してると耳元で甘く囁かれた言葉も。
全部全部、幻だったんだ。
あんなに愛しく思っていたのに、必死にチョコを貰おうとする彼に呆れた。
自分が幻想を見てたんだってよく分かった。
広瀬が過去に流したかった私の涙を全部受け止めてくれたから。私はこの恋を忘れられる。
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