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「これは……違う!」
「は? いいよ、そんな嘘言わなくても」
「だから、違うって! これは広瀬の為に作ったんだから!」
掴まれた紙袋を守るように引っ張る。
ビリッ
あっ!!
裂かれたそこから、チョコの箱が飛び出した。
スローモーションのように床にはね飛ばされ、開いた蓋の隙間から丸い粒がコロコロと転がった。
「あ。何だよ、そういう事かよ!」
床に座り込み、落ちた残骸を呆然と見つめる私に、見下したような声で吐き捨てた。
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