みるくちょこ

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「先輩、そういう事なんで。勝手に触んないでくれますか? 手離したのがおしいと思っても、遅いですよ。 勿体ない事しましたね」 ホールに響き渡る凛とした声。 後ろ向きで顔は分からないけど、耳たぶに息がかかるくらい近くで声がする。 振り返ると、膝を付き私の肩に手を置き、あいつを鋭く睨み付ける広瀬が居た。 あいつは見られた事に焦ったのか、それとも迫力に怖じ気づいたのか……。捨て台詞を吐きながらそそくさと私達の前から逃げていった。
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