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「おーい、森下ちゃん。来週のバレンタインだけどよろしくな」
上司の癖に、部下に義理チョコせがむなんてどうかしてる。
ヘラヘラ笑う部長の顔にイラっとしながらも、なんとか堪えて顔を作る。
「チョコレートですか? 部長、私……バレンタインが誕生日なんです。誕生日なのに、プレゼントあげるのはちょっと……」
もう何も言わずに去ってくれ。
ひたすら念を送ったのに、ヘラ顔の部長はさらに眉を下げて私に近寄る。
「お、じゃあ、お祝いも兼ねてレストランでも予約するか?」
近寄るなー、近寄るなー。部長、家族が居るだろー。
流石にひきつり笑いを浮かべながら、ささっと給湯室の出口へ向かうが……。
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