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「森下さん、狙われてるね」
「……広瀬。ありがとね」
広瀬亮(ヒロセリョウ)は私、森下加奈(モリシタカナ)の一個下の後輩。後輩だけど、口調も態度も全然年下には見えない。
「どういたしまして」
出来る男と社内で噂の彼だけど。
確かにいい男だ。
まじまじとその顔を見つめる。すっとした涼しげな目に、薄い脣。背はヒールを履いた私より頭一個以上うえ。きっと180はあるんじゃないかと思う。
「俺の顔になんかついてますか?」
クスリと笑われ、見過ぎたと思い下を向く。けど、こいつのオーラに負けまいとぐっと顔を上げる。
「ううん、資料って何かなと思って」
余裕の笑みで答えを返す。
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