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四限目が終わって昼休み、小野山美紗が教室から出た時を見計らって、私達はその後を追った。
あゆみと美雪と私。
朝から一度もトイレに行っていないから、そろそろ行くんじゃないかと思って。
廊下に出て左、東棟のトイレの方に向かったのを確認して、私達もそこへと向かう。
「やっと話が出来そうだね。でも、健司と龍平はいいの?」
「健司はともかく、龍平はトイレの中にまで付いて来そうだから良いよ」
龍平の変態っぷりもかなり浸透してきたみたいだ。
私が突っ込まなくても、あゆみがその役をしてくれる。
それよりも小野山美紗だ。
一人だけ制服が違うせいか、かなり目立っている。
廊下の脇にいる生徒達は、長い黒髪の美女に注目していた。
「なーんか、かなり目立ってるよね。ここに飛び切りの美人が……」
「あ、トイレに入った!行くよ留美子!」
最後まで言わせてくれても良いじゃない。
もしかして私って、お笑い担当?
そんな事はないと自分に言い聞かせて、トイレに入った。
すると……。
「あなた達……随分と余裕があるみたいね。すぐにでも話を聞きに来ると思ったのに」
トイレの中で、私達が来る事が分かっていたと言わんばかりに、小野山美紗は待ち構えていたのだ。
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