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ファストフード店に到着し、私とあゆみはドリンクを一つずつと、フライドポテトを二人で食べる。
龍平は……トリプルチーズバーガーセットを二つも。
「どうでも良いけどさ、何であんた、ちゃっかりあゆみの隣に座ってんの?」
「良いじゃねぇか。あゆみか留美子の隣しかないんだからよ。それとも何か?隣に座って欲しかったか?」
「なわけないでしょうが。ここじゃなくて、そっちのテーブルで良いじゃん」
私がそう言って隣のテーブルを指差すけれど、龍平はそれを無視。
すっげームカつく!
「留美子はさ、俺達が仲良くしてるのが嫌なんだぜ?そうならそうってハッキリ言えば良いのにな」
ケラケラと笑いながらあゆみに話し掛ける龍平。
でも……そんな龍平に忍び寄る二つの人影。
「ほう?ハッキリと言えばてめぇは移動するのか?素直で何よりだ」
私はその人影に気付いて、龍平に対する怒りがスーッと引いていくのを感じた。
その人物は、そう言うと同時に龍平の頭を掴み、指に力を込め始める。
「あいた!いたたたたっ!誰だコラァッ!俺にこんな事をしてただで済むと……」
頭を掴んでいる手を振りほどき、立ち上がった龍平はそこまで言って絶句した。
「ただで済まねぇなら、てめぇは何を俺にくれるんだ?あぁ?」
そこに立っていたのは……あゆみのお兄さんの武司さんと、その彼女の結子さんだった。
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