二日目

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「半年くらい前にさ、赤い人の話をしてくれたよね?結子さん、それの詳しい話知ってる?」 「赤い人?ああ、ぬいぐるみがどうこうってやつか。まだそんな噂が流れてんのか?」 龍平のドリンクを、あたかも自分の物のように飲む武司さんに迷いはない。 「噂じゃないんだけど……赤い人に殺されたらどうなるとか、何か知らないかな?」 変な事を聞いているのは分かってる。 でも、私達が知らない怪談を知っていた結子さんなら、少しくらい知ってるんじゃないかと私は思った。 「留美子、お前はバカか。殺されたら死ぬに決まってんだろ。試しに池崎を殺してやろうか?」 「マジ勘弁っス!」 うー……やっぱりそうだよね。 結子さんも、難しい顔で考え込んでるし。 「ごめんねぇ。殺された人に会った事なんてないからぁ、それは分からないよぉ」 うん、そりゃそうだ。 私だって3年前に死んだお婆ちゃんに会った事はないし、聞いた私がバカだった。 「何だ、誰か殺されたのか?」 「え?あ、ううん。ただ気になっただけ。心配しないで、お兄ちゃん」 その言葉に、私は首を傾げた。 どうしてあゆみは本当の事を言わないのだろうと。
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