二日目

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家に帰り、晩御飯とお風呂を済ませた私は、スウェットに着替えて部屋に戻った。 時計は20時半を指していて、部屋のどこにもあのぬいぐるみの姿はない。 「そりゃそうだよね。今日はぬいぐるみなんて見てないもん」 このまま行けば、カラダ探しなんてしないで済むかもしれない。 小野山美紗が言ってた「七日間」ってのは、連続した七日間じゃなくて、カラダ探しをさせられた七日間の事じゃないの? なんて気楽に考えていた私は、ベッドに横になって天井を眺める。 「難しい事は美雪にまかせてれば良いよね。私や龍平なんかが考えても、大した答えなんて出ないしさ」 だからと言って何も考えてないわけじゃないんだけどさ。 何か落ち着かないな。 私は身体を起こして、マンガでも読もうと本棚の方に向かった。 どれもこれも飽きるほど読んだ物ばかりで、改めて読もうとは思えないけど、何かしていないと気が紛れない。 適当なマンガ本を五冊ほど手に取り、ベッドに戻った私は……寝転がろうとしていた場所に、あのうさぎのぬいぐるみが置かれているのに気付いて、本を床に落とした。 「な、何でよ……今日は見てもいないのに」 この時やっと、私はカラダ探しが逃れられない物だと言う事に気付いたのだ。
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