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このぬいぐるみはいつの間にベッドに置かれたのか。
私がそこに寝転がっていたのだから、ずっとあったのなら気付かないはずがないのに。
「やだ……絶対に触らないからね。昨日は窓から投げ捨てて、大変な事になったんだから」
薄汚れたうさぎのぬいぐるみは、私の顔をジッと見詰めているようで何だか不気味。
そんなぬいぐるみに触れもせずに、同じ部屋にいるのだから、気が変になってしまいそうだ。
「ちょ、ちょっと!こっちを見ないでよ!気持ち悪い……」
この空気に耐えかねて、部屋から逃げようとドアに向かった時だった。
キンッ……キンキンッ……。
室内を明るく照らしていた照明が点滅して、一転部屋は真っ暗に。
昨日と同じだ……ここにいたら、赤い人が来ちゃう!
暗闇の中、ドアノブを掴んで回すけど、それは空回り。
ドアが開く事はなく、私の背後に何かが動いているような気配を感じた。
「う……嘘……やめてよ……」
恐怖に包まれて、ゆっくりと振り返った私が見たモノは……。
闇の中を歩いて来る、うさぎのぬいぐるみの姿だった。
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