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音もなく歩いて来るぬいぐるみに、私はどうすれば良いのかが分からなくて、開かないドアの前に座り込んだ。
ただでさえ理解出来ない状況の中で、ぬいぐるみが動いているのだから、わけが分からない。
もしかして、もうカラダ探しの中に入り込んでしまったの？
どこまでが現実で、どこからがカラダ探しなのか……。
目の前に迫るぬいぐるみに恐怖し、私はドアに背中を付けた。
すると、ドアがゆっくりと開き始めたのだ。
あ、開いた！ここから逃げられる！
と、私は振り返り、ドアを押そうとした時。
ドアの隙間から、小さく不気味な女の子が、私を見ているのに気付いた。
｢ああ……赤、赤……｣
恐怖に恐怖を重ねて、声も出なくなった私に、赤い人が手を伸ばす。
その顔は……何だか怒っているみたいで、私の首を掴むと部屋の中に侵入して、不思議そうに顔を近付けて来た。
フーフーと鼻息も荒く、じっくりと舐め回すように私を見る赤い人。
｢……どうして生きてる！？｣
赤い人がそう呟いた後、首を掴んだその手に力が込められる。
痛いとか、苦しいとか、そんな事を考える暇なんてなかった。
すぐにボキッという、骨が折れる音がして、私の首はダラリと垂れ下がり……直後、床に落下したのだ。
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