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生徒玄関まで戻った私達を待っていたのは、開いたドアと、その突き当たりでライトアップされて並ぶ、私達の首だった。
「せめて中に入るまで待ってよ……なんでもう照明が点いてるわけ?」
あの首を見ながら中に入るのは抵抗がある。
私は俯いて、なるべくそれを見ないように生徒玄関のドアをくぐった。
全員が中に入ったと同時に閉まる背後のドア。
小野山美紗の姿は見えないけど、今、この瞬間からカラダ探しは再開されたのだ。
「ねえ、もしかしてさ、あそこの電気が点いてるって事は、廊下とか教室も点くんじゃないかな?誰か試してみた?」
ナイスアイディアとばかりに、あゆみが手を叩いて提案したけど、健司は冷静に首を横に振る。
「とっくに昨日試したよ。でもダメだった。今点いてる照明以外はね」
あまり喋らなくて大人しい健司のくせに、やる事が早い!
少し感心しながら、私はどこをどう探せば良いのかと気にしていた。
「よし、適当にうろついてカラダを探そうぜ。どこかにあるだろ」
「龍平、それはダメだよ。考えなしにウロウロしても、誰がどこを探したか分からないでしょ?」
龍平の提案をバッサリ切り捨てた美雪。
こんな時は、やっぱり美雪が頼りになる。
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