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この夜の学校で、私達がどう動けば良いのかを、美雪が詳しく説明してくれる。
やっぱり頭の良い友達が一人くらいはいないとね。
「とりあえず、手分けして探そう。龍平と健司は西棟、私達は東棟で良いかな?赤い人に見付からないように気を付けて」
美雪が言った事はたったそれだけ。
詳しいどころか、大雑把過ぎて別に美雪が説明しなくても良かったんじゃないかと思えて来る。
「俺……健司とかよ。どうせなら女の子と一緒に探したかったぜ」
龍平はここでもいつものペースを崩さないんだね。
「どうせ分かれるなら、誰と行っても同じでしょ。探すのは一人でなんだからさ」
あゆみの言葉でやっと理解したのか、驚いたような表情を一瞬浮かべる龍平。
仲良く二人一組で探すとでも思ったのか……。
だとしても、五人しかいないんだから、ペアを作ってもあんたが余るんだけどね。
「なんだそうか。そうと決まればさっさと行こうぜ。嫌な事は早めに終わらせるに限る」
「いつ赤い人に襲われるかも分からないしね。しかも、天井とか走ってくるし。どこに注意すれば良いか分からないよ」
と、あゆみが溜め息を吐いたけど……その言葉に頷いたのは私だけで。
他の三人は、どういう意味だ?と言ったような表情をしていた。
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