二日目

28/49
前へ
/613ページ
次へ
東棟に入り、あゆみは一階、美雪は三階、私は二階を調べる事になった。 階段を上がり、二階で美雪を見送った所で……私はとんでもない事に気付いたのだ。 はっ!赤い人が西棟の二階に現れたって事は……廊下で繋がってる東棟の二階もかなり危険なんじゃないの!? 「うわぁ……失敗したなあ。でも、今更変わってくれなんて言えないし。どうかこっちに来ませんように」 私は祈りながら、どこから調べようかと長い廊下を南に向かって歩き始めた。 この廊下の突き当たりは、昨日私が殺された場所の上の階になる。 まずはそこに行って、端の教室から調べた方が良いかなと思って。 暗い廊下を歩いていると、怖くて少し早足になってしまう。 「あー、やだやだ。最初の教室にカラダがないかな。それなら楽なのに」 そんな事は呟きながら入った一番奥の教室。 ドアを閉め、明かりのない教室の中を見回しても、それらしい物はない。 ま、あっても困るんだけどね。 だって、首が生徒玄関にあるって事は、カラダには首がないって事でしょ? そんなのがここにあったら、気持ち悪くてたまらないよ。 と、携帯電話を取り出して、入り口の横に備え付けられたロッカーに目をやり、何気なくそれを開いた。 そして、携帯電話を向けた私は……。 「ひ、ひやああああああっ!!」 その中にあった、何かを訴えようとする人間の腕を見て悲鳴を上げた。
/613ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18775人が本棚に入れています
本棚に追加