二日目

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驚いて腰を抜かした私は慌てて手で口を塞ぎ、床に座り込んだまま周囲の音に耳を澄ませた。 東棟と西棟で違うとは言え、同じ階に赤い人がいるのに叫んでしまった。 もしかして聞こえたかも? なんて思っていたけど、どうやら気付かれてはいないようだ。 「危ない危ない。それにしても……カラダを探せってこう言う事なの!?バラバラじゃないの」 恐る恐るロッカーの中に再び携帯電話の画面を向けると……その光で照らし出された人間の腕が浮かび上がる。 これは、マジで勘弁。 気持ち悪くてとてもじゃないけど触れそうにないよ。 それでも、このまま放置しておくわけには行かないし。 床を這いながらロッカーに近付き、その腕を見ると……どうやらそれは、男の手のようだ。 ゴツゴツしていて、手の甲には毛が生えている。 「健司か龍平の手なんだろうけど、本物?」 運良く見付けたってのに、こんな状態で隠されてるなんて最悪だ。 でも、これをどうすれば良いんだろう? まさかカラダの一部を持って、他のカラダを探さなきゃならないの? 「まあ、どこかに置いておけばいいか。嫌だけど、届けてあげないとね」 覚悟を決めてその腕の手首を掴み、持ち上げようとしたけど、それはピクリとも動かなかった。
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