二日目

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「ふぬぬぬ……何よこれ!やっぱり偽物なんじゃないの!?」 どれだけ引っ張っても、揺すっても動かない腕を持ち出すのを諦めて、私は少し考えた。 こんなに良く出来た偽物なんて、本当に作れるのかな? 触ったら本物の人間の腕っぽかったし、ほんのり暖かかったんだけどな。 仮に本物だったとしても、動かせなければ意味がない。 「仕方ないよね、他を探そうっと」 ロッカーを掴んで立ち上がった私は、携帯電話を室内に向けてもう一度見渡す。 そして、ゆっくりと教室の前の方に歩き出した時、その声は聞こえた。 あ~かい ふ~くをくださいな~ 廊下の方から、どこかで聞いた事がある歌が聞こえて来た。 一体誰が唄っているのか分からないけど、不気味なその声の正体を確かめようなんてとても思えない。 明らかに美雪やあゆみとは違う声。 となると、小野山美紗か赤い人しかいない。 こっちに来てるなら、どこかに隠れなきゃ。 徐々に近付くその声の主に見付からないようにと、身を低くして机と机の間に隠れる。 し~ろい ふ~くもあかくする~ 息をしても気付かれそうな重い空気の中、その声は教室の近くまで迫っていた。
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