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どうしようどうしよう!
赤い人が入って来ちゃったよ!
見てしまったら、振り返る事が出来なくなるから、赤い人の姿を見る事は出来ない。
ついうっかり、振り返ってしまうかもしれないから……。
「あー……誰かがいる匂いがする……」
赤い人のその言葉に、私はビクッと反応した。
匂いって、そんなので分かるの!?
てか、私は教室の入り口から分かるくらい匂ってるって事!?
歌を唄うのをやめて、クンクンと匂いを嗅いでいるような音が聞こえる。
机の陰に隠れている私が生き延びる方法は一つしかない。
……逃げよう。
こんなに早く見付かってしまうなんて、私はどれだけ運が悪いのか。
足音を立てないように、コソコソと教室の前のドアに向かって移動する。
その間にも、赤い人は教室の中を移動している。
どこにいるか分からない恐怖が、私の行動を急がせた。
距離にしてドアまで2メートル程度。
すぐにでも辿り着けるこの距離が、どんなに遠く感じるか。
後少し、後少しと移動し、手を伸ばせばドアに届くと言う所で……小さく細い脚が、急に視界に割り込んで来たのだ。
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