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ドアを開けて廊下に出た私は、赤い人がまだこちらに向かっていない事を確認して駆け出した。
とりあえず今は、このフロアは危ないと思ったから。
美雪かあゆみか、どちらかと合流しようと階段までやって来たけど……考えるまでもない。
「美雪だね、間違いなく」
赤い人を見てしまったから、振り返る事が出来ない。
それを分かっていても美雪なら、嫌がらずに何とかしてくれそうな気がするから。
あゆみはダメだ、絶対に嫌がるに決まってるし。
私は三階へと急いだ。
後ろから赤い人が追い掛けて来ていないかと不安でたまらないけど、振り返る事も出来なくて。
背後を見られない事が、こんなに怖いなんて思わなかった。
駆け上がった階段の先、どこに美雪がいるかが分からない。
でも、また奥の教室で赤い人に追い詰められるのだけは勘弁してほしいかな。
そう思い、教室が三つある北側へと歩き始めた時だった。
「あれ?留美子?二階を調べるんじゃなかったの?」
振り返る事が出来ないのに、私の背後から声を掛けられたのだ。
危うく振り返りそうになったけど……何とか耐える事が出来た。
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