二日目

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美雪と一緒に入った階段の隣の教室。 良く良く考えれば、赤い人が追い掛けて来た時に、三階だと東棟から他の棟には行けないんだよね。 まあ、美雪が嫌がらなかったから良かったものの、別にここに来る必要もなかったかもしれない。 「それにしても、カラダってどこにあるんだろうね。まだ一部屋しか調べてないから、見付からないのも無理はないけどさ」 あ、言うの忘れてた。 あれが私達の探しているカラダなのか、ただの偽物なのかは分からないけど、それらしい物は見付けたんだよね。 「えっとねぇ。二階の一番端の教室に、それっぽいのがあったんだけどさ。押しても引いてもビクともしないの」 「えっ!?……えー。何それ。喜ばせておいて、ガッカリさせようってやつ?」 うーん、私にも良く分からないから何とも言えないんだけど。 「でもさ、超リアルだったんだよ。爪とか毛とか、触った感じも人間の手みたいだったしさ。あれは男の腕だよ」 私がそう言うと、美雪は何かを考えるようにその場に立ち止まった。 「それってつまりさ、カラダは首から下の一つじゃなくて、何個にも分けられた物だって事?それが偽物だとしても、本物に似てなきゃ偽物じゃないんだしさ」 美雪が不安そうにそう言ったけれど……私は何の事だかさっぱり分からなかった。
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