二日目

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東棟三階って、美雪がいるじゃない。 ロッカーの上のダンボール箱を手に取り、ざわつく胸の感覚に襲われた私は、少し悩んだ。 私なんかが行ったところで、赤い人に殺されるに決まってる。 だけど、美雪は真面目にカラダを探していて、東棟の三階を調べ終わる事が出来るなら、今後そこに行かなくても済むのだから。 赤い人を美雪の所から離す方法はある。 私が赤い人に見付けられて、追い掛けられれば良い。 あと一つの方法は……。 「振り返れば、赤い人はここに現れるんだよね」 でも、出来るなら死にたくないし、これはやりたくないなあ。 昨日殺された時は、そんなに痛みは感じなかったけど、龍平はとんでもない悲鳴を上げてたし……。 ロッカーから下ろしたダンボール箱の中身を調べながら、私は揺れていた。 あんな事を言ってしまった美雪への後ろめたさもあるし、罪滅ぼしに助けたいという気持ちもある。 でも、どうせなら美雪の前で堂々と助けた方が印象に残るよね? ……なんて、考えてる暇はないんだ。 美雪を助けるか、このままここを調べるか、私は悩みながらその場に立ち上がった。
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