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床に散乱する物の中にゴロリと転がるそれは、紛れもなく人間の腹から胸の部分。
さっき見付けた腕とは違う……何か、懐かしいような異様な雰囲気を感じる。
「もしかしてこれは、本物のカラダ?……やった、やったよ私!」
椅子から飛び降りた私は、そのカラダへと駆け寄り手を伸ばした。
すると……そのカラダは、私が近付くにつれ、淡い光を放ち始めたのだ。
やっぱり何かが違う。
そう思ってカラダに触れた途端、淡い光は激しくなり……そして私の胸に吸い込まれるようにして消えた。
「……何?今の。カラダはどこに行ったのよ?」
そう呟いてみたものの、確かに感じる胸の部分の存在感。
良くは分からないけれど、きっとあのカラダは私の物で、持ち主である私へと還ったんだ。
これが……カラダ探し。
首以外の残りのカラダを見付ければ、あのショーケースが開いてカラダが全部揃う。
その時に私は助かって、生き返る事が出来るのだ。
「意外と簡単じゃない。ん?もしかして……あの腕は偽物じゃなかったんじゃないの?」
私には珍しく、一つの可能性が思い浮かんだ。
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