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今の音、赤い人に聞こえてないよね?
叫んでる途中だったし、大丈夫だと信じたいけど……。
「アハ。そこにいた!」
全然大丈夫じゃなかった!
パタパタと、床に散らばる資料の上を走って来るのが分かる。
どうしようどうしよう!
もう逃げられない!
せっかく助かったと思ったのに、ここで殺されてしまうの!?
足音がロッカーの前で止まり……ゆっくりとそのドアが開かれた。
暗くても良く分かる。
小さな赤い女の子の姿が徐々に見えて来て……。
「見ぃ付けた」
私の顔を見て、ニタリと笑みを浮かべた赤い人は、再びドアを閉めたのだ。
一体どうしたのか……。
もしかして、見付けたけど見逃してくれるのかな?
一瞬死を覚悟したけど、もう少しカラダを探すチャンスが増えたかもしれない。
カラダを一つ見付けたから、見逃してくれたとか?
だったらラッキー。
なんて、思った私がバカだった。
ロッカーの横を、バンバンと軽く叩く音が聞こえたと思った次の瞬間、私の身体に衝撃が走った。
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