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俺の顔写真と、家出した時の服装と身長等を書いた紙を持っていた
そのまま俺はアキに礼を言う時間も与えられず家に連れ帰られた
玄関先で深々と頭を下げるお父さんの後ろでお母さんが俺を抱き締めた
「っどんなに心配したか」
「…ごめんなさい…っ」
お母さんの腕の力が強くて痛かった
背中に爪を立てられた
その日から暫く、学校の登下校はお父さんに送り迎えされ
1人で家から出させてもらえなくなった
「…宏人はどうしたんだ」
「勉強したいから部屋で食べるって言ってたわ」
前まで4人で囲んでいた食卓テーブルから俺の分がなくなった
その日から俺は1人でご飯を食べる事になった
美味しかったご飯はインスタント食品に変わった
下から聞こえてくる笑い声に
俺はもう家族じゃないんだって言われているようだった
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